武器輸出の禁止

前々から不思議に思っていた事の一つに、重火器製造能力の無い人達や国々でも紛争になるとロケット弾まで持ち出してのドンパチがあります。せいぜい弓矢や槍程度の武器であれば諍いになっても大した被害も出ず、話も大事にはならずに済むはずと常々思っているのです。今起きている中東やアフリカでの紛争に銃や火器の供給が無ければ、多くの人々は傷つかず、都市は破壊されず、したがって憎しみが増幅したり連鎖することもなくなり、現在の事態は一変していたと考えるのは、決して間違っていないと確信しています。
アメリカやフランス、イギリスなどはテロの脅威を盛んに訴えて、それらに対する戦いを進めることの正当性を主張します。しかし3国とも武器の製造輸出国であり、その一部はテロにも使われているのです。にも拘らず武器の国際取引を禁止するような提案をすることはありません。もちろん敵対国への武器輸出は禁止していますが、一度手元を離れた武器は誰が使っても弾は出るのです。ロシア、中国、北朝鮮などは武器が重要な輸出品目であり、現在使われている“テロリスト”御用達の筆頭武器、カラシニコフなどはそのほとんどが中国製かロシア製と言われています。言ってみれば、紛争地帯はそれら武器製造輸出の国々のマーケットであり、製品の大量消費地である訳です。
核兵器やミサイルの廃絶は国連のテーマの一つにもなるようですが、むしろ通常兵器の輸出輸入などの規制、取引の禁止を全世界で決めれば、紛争に使われる武器の絶対量は激変し、むやみやたらにドンパチをすることが出来なくなるはずです。銃弾が無ければAK47もただの鉄屑でしかない訳で、M16もモデルガンと同じです。アメリカではホームセンターで銃弾を買えると言いますが、銃器を野放しにしておいてテロ撲滅もないでしょう。少なくとも国連での“武器取引禁止決議”ぐらいはやってもいいんじゃないでしょうか。

強力な武器