羊頭狗肉

オリンピックの施設建設にかかる費用が、当初の予定を大幅に上回るとの見通しとなり、一部施設の建設を見直す方針であるようですが、“大幅”とはどれくらいなのか思って新聞の記事を読むと、なんと当初予定の3倍を超えるというとんでもない“大幅”オーバーだというじゃないですか。これは当初の見積もりに意図的な誤りがあって、言い換えれば嘘の見積もりを作って計上したのではないかと、勘繰られても仕方ないほどのレベルの費用計算をしたのだと、それほどまでしてもオリンピック誘致を実現したかったのかと、腹が立つと同時に呆れてしまうばかりなのです。
無用な国立競技場の建て替えも含めて、いま一度ゼロベースからオリンピックを考え直す必要があると思うのですが、どうもそうはイカの金○○タコが引っ張るという話のようで、何とも歯がゆい思いです。「羊頭をかけて狗肉を売る」という故事そのままの状況が、国を挙げて行われるという驚くべき事態に、それほどの批判も反対も起きない不思議にも歯が痒くなります。
因みに当初の予算1500億円余りが5000億円になるという施設建設費用は、当然のこととして税金によって賄われるのですが、以前はあれほど簡素なオリンピックと言っていた舛添東京都知事も、一部見直しでお茶を濁し、建設費の大幅超過もやむを得ないという意向らしいのです。オリンピックがどれほどの意味があるのか意見は分かれますが、少なくとも借金地獄目前の国や地方の財政を、一層破綻に追い込むような愚をしてまでも実施する必要があるのか、関係者はもう一度冷静に考えて欲しいと思います。

オリンピックより私の仲間を助けて