春はあけぼの

暦の上では春が近いと言ってもまだ冬の真っ最中ですが、空は確実に春の装いをし始めています。
私は夜が早く、9時ごろにはベッドに入ってしまう生活で、そのかわり朝も早く5時ごろには起きだします。この時期の朝の楽しみは何と言っても東の空の曙で、日の出前の刻々と変わる空の色は値千金、オレンジ色からグラデーションしながら濃い藍色の天空にかけての色調は、まさに浮世絵の色使いそのもので毎日見ても飽きません。
ちょうど今の時期は、東の空に金星がひときわ明るく輝き、太陽の先導役を務めています。日の出前の空は、土星、火星といった太陽系の仲間のほかに、アンタレス、スピカ、デネボラ、また天空近くにはアルクトルスといった明るい星々が輝いています。1月から2月にかけての朝方の空は見どころ満載とも言える空です。
本当の春3月に入ってしまうと空は水蒸気が多くなり、ややぼやけてしまいます。春霞の季節が始まってしまうと、曙も星々もその輝きに透明感が少なくなるのです。夜明け前の時間に起きだし、おまけに外に出て空を見るなんて酔狂なことだ、などと思わずに一度試してみることをお勧めします。
話はまるで変わりますが、昨日報道された文科省の学習指導要領解説の改訂ニュースは、思わず笑ってしまいました。まるで中国、韓国に喧嘩を売っているかのごとき内容で、まあ次から次へと矢継ぎ早やに繰り出すなあと呆れてしまったのです。“話し合いの扉は常に開かれている”なんて言ったって、これじゃあ話にならないでしょう。戦争するつもりなんですかね、安倍内閣の皆さんは。正直なところ、笑っている場合ではないのですが、何か悪いジョークを聞かされているようで、困ったものだと・・・。
のんびりと星を見るなんてことが出来なくなる事態などは御免こうむりたいのです。

金星と月のランデブー(1月29日早朝)