南半球

「一日中陽のあたる北側の部屋・・・」という文章を読んで、ちょっと驚きましたね。赤道を南に下れば陽当たりは北から射すのが常識で、クリスマスは夏の行事ということになるのです。たしか低気圧の渦も右巻きで、南風は冷たいものと相場が決まっているようです。オーストラリアやニュージーランドだけでなく、アフリカや南アメリカでは殆どが太陽は北から射し、南風は冷たい空気を運んでくるものなんですよね。分かり切ったことでも実感を伴わないことは多いものです。
北半球に住んでいた人類が、海や陸伝いに南に進み赤道を越えた時に、太陽や星が逆になって天上にあることを、どういう感慨を持って見つめたのか、きっと当時のヒトはびっくりしたと思います。私はというと南半球はおろか北半球でさえ、今住んでいるところしか知らないのですから、本当に「井の中の蛙」です。船に乗って南下し南半球まで行ってみたいですね、どのように風が変わるか太陽がどのように動くのか、確かめてみたいですねえ。
しかし南半球って白人が好き勝手放題をした地域で、「旧植民地」なんていう言葉でひとくくりに片づけてしまいがちですが、ほんとは「西欧人がそこで何をしたのか」という正史を、西欧人によってつくられるべきではないでしょうか。中東やアジアについても同じような観点での歴史資料が残されることが必要と思われるのです。もちろん日本も朝鮮や中国、東南アジアに対して同様の責任があると思います。そうでなけりゃ、世界平和とか人権擁護といくらきれいごと言ったってねえ、いまひとつ迫力に欠けるのです。
 
 正しい姿勢が大切。