また“就活”について

 この“就活”という妙な制度?についてはこのブログでも度々話題にしています。“またぞろ同じことの繰り返しかよ 木村”とばかりにCMのパクリを言われてしまいそうですが、やはり変なものは変で、おかしいものはおかしいのです。
 懐メロになりますが、「いちご白書をもう一度」というフォークソングがその昔に流行りました。ここで“あ!知ってる”と思い当たる人はもうかなりの歳で、そろそろ身辺整理を心がけている気の早い向きも居られるかと推察いたします。この歌の2番に次のような詩がついています。詩・曲とも松任谷 由美で、「バンバン」が歌っていました。
“僕は無精ヒゲと 髪をのばして 学生集会へも 時々出かけた
 就職が決まって 髪を切ってきたとき もう若くないさと 君に言いわけしたね・・・“
最初のフレーズはとくに説明もないのですが、そもそも学生集会など今では伝説上の出来事でしょうから、次です。「就職が決まって 髪を切」るのです。つまり、就職試験は長い髪のまま受けていたのであり、それで合格した訳です。また、長い髪を切った時には彼女に言い訳してしまうほど軟弱なことだったのです。“就活”では、本番の試験ではなく「説明会」の時にすでに髪を切り、ダークスーツを纏って臨みます。女子はおまけにひっつめ頭に就活化粧までして出席すると言うから、もう呆れを通り越してげんなりしてしまうのです。
 「いちご白書」というのはベトナム戦争当時のアメリカの大学生生活を描いた秀作映画で、主題歌の“サークル・ゲーム”という曲も大ヒットした名曲です。それから比べれば「いちご白書をもう一度」はやや格落ちするものでしたが、それでも就職試験までは自分の在りのままで受けていた当時の様子を伝えています。たかだか3・40年ほどでこの国の活力がどれだけ低下してしまったのか、改めて思わざるを得ません。

   
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