21世紀人

 今年も早や11月下旬となり、来年は21世紀に入って12年目となります。今世紀に生まれたヒトが中学校に入学する年となります。20世紀生まれの私達もあと50年もすれば少数派となり、私達が明治生まれの人達を19世紀の生き残りと感じたように、21世紀人達にも同じような感慨で見られるのでしょう。ただ20世紀の100年と21世紀の100年はその変化の速度がかなり異なるでしょうから、連続した世界観を維持できるのか、その辺りは何とも言えない思いがします。
 考えてみると、20世紀の100年は未来に対する希望が自由に抱けた世紀であったように思います。アーサー・C・クラークの“宇宙の旅”シリーズは2001年、2010年、2061年と三作(3001年も有るようですが)ありますが、どれも近未来を希望的に描いています。ところが最近書かれている日本のSF物などでは必ずしも明るい未来ばかりではなく、どちらかというと文明が崩壊した世界などが舞台となっています。これは20世紀末のハリウッド製SF映画などで同じ傾向の作品が先行していて、これらの影響が強かったとも思えるのですが、経済の先行きの不透明感や環境問題なども色濃く投影されているのでしょう。そんな未来観の中で育つ21世紀人達はどんな夢を描くのか、興味は尽きませんが私の知ることのできる時間では無理なようです。“20世紀は良い時代だった”などと言わなくて済むように祈っています。
 しかし、2011年末のこの国の公債残高が668兆円となるようですから、この事実だけをとってもロクでも無い未来が予見される可能性が大な訳で、この辺りの責任を誰がとるのか、そろそろハッキリさせておく必要はありそうです。

21世紀のトレンド    PS・今日は直っている?