高圧洗浄を除染と言う不思議

 福島原発により放射能汚染された地域の除染作業が始まっています。中でも高圧洗浄機による除染が目立ちます。しかしあれは「除染」と言えるのか甚だ疑問に思えます。どう考えても拡散、もしくは汚染の移動ではないでしょうか。たしかに洗浄した部分の放射線レベルは下がるでしょう。では水に吹き飛ばされた放射性物質は何処に行ったのですか。決して消えて無くなった訳ではないのです。空気中に拡散されて浮遊し、いずれ地面に落下するか、誰かが吸い込んでしまうか、いずれかであると思います。かなりひどい対応策と言わなければなりません。表面を削りとる、もしくは洗浄水を飛散させずに回収するかでなければ除染とは言えないと思うのです。しかしそんなことは現実的には困難だし、そこで一時しのぎの吹き飛ばしをやっているのでしょうが、その辺りの説明は誤解を招かないように、つまり「除染」 とは“一味”違いますと断るべきであると思うのです。
 世田谷区で2.7(その後の調査では3.35)マイクロシーベルト/時の放射線放射線の種類は不明、原発由来ではないかも?)が測定され各地の動揺が広がっています。ここでも高圧洗浄による「除染」が行われましたが、全く効果がなかったようです。原因については調査中、解明され次第の公表を期待します。世田谷区ではこれらを受けて区内200か所以上で緊急測定を実施するとしましたが、放射性物質が集積されやすい場所での測定を、東京都全域で早急に実施すべきです。国も自治体も放射能汚染にもっと敏感になって良いと思います。どうも出来るだけ騒がないよう、触れないで済ますように立ち回っているように見受けられます。都議会もオリンピックどころではないでしょう。

金精トンネル付近

金精トンネル付近   PS 昨日の写真はピンボケの上のものが湯の湖、下が山王帽子山でした。