急性白血病

 福島原発の作業員が急性白血病で死んでいたというニュースが新聞の片隅にのっていた。数日前のことだ。テレビはこのニュースを無視したか、あるいはそれほど重要でないと判断したかでほとんど(私は見ていないから“全く”かもしれない) 報道しなかった。普通、急性白血病とくれば放射性被爆が原因かと思うのが自然だ。ましてや今の状況である。原発作業員が急性白血病で死んだとなれば、これはその原因がどこに有ったのか国を挙げて調査するのが常識で、マスコミや関係者を巻き込んで大騒ぎとなってもおかしくない事態と言える。にも拘らず全くそうなっていない。おかしい、と疑いの思いを抱かざるを得ない。そうでなくとも情報操作とか隠ぺい工作をしていると、海外のマスコミからも指摘されている昨今の事情を思う時、私は政府や関係者の為されように限りない不信を感じてしまう。
 ドイツのテレビがyou tubeにアップされている。いま日本の原発事故で意図的な事実隠し、情報操作が政府自治体によって行われているとして、現地住民の証言、実態などの取材を中心にした映像をドキュメンタリー番組として放映したものだ。それによれば、取材された人(福島県本宮)の知人が県外で放射性被爆の検査を依頼したところ、福島県より同県民の検査はしないよう通知が来ているとのことで拒否されたというのである。県に確認するとそんな依頼はしていないとの返事で、要領を得ないというリポートを伝えていた。もしそう言ったことが事実であれば、原発やその周辺で起きている事実関係は闇の中での処理および進行が行われていることとなり、ハリウッド映画の世界の現実化になってしまう。あちらは予算もケタ違いだしヒーローはわんさかいるから嘘をつくのも上手いけど、こちらは日本映画同様の低予算のしみったれたシナリオだろうからいずれ襤褸が出ること請け合いであろう。しかしそれまで私達は目隠し状態に置かれる訳で、それでは民主国家の名が廃るというものである。
 急性白血病患者へのこの国の対応をみると、ドイツテレビのドキュメンタリーが真実味を帯びてくる。曰く、「この国の対応は先進国とは思えない・・・」。


私がだるいのは白血病ではなく 眠いだけ。