東北関東大震災

 今回の地震ではなんと言っても津波による被害の甚大さが際立っている。日本の太平洋沿岸では、今回のようなことが何処ででも起こりうる事態であることを、具体的事実で明らかにした津波だったとも言える。太平洋プレートが日本沿岸で沈み込むというプレートテクトニクスの仕組みを考えれば、巨大地震は避けることのできない自然現象であり、それに伴って起こる巨大津波は想定しうる災害であったはずだ。にも拘らず沿岸には大した予防策も行わずに集落や街を造ってしまった、このことについて私達は今一度真剣に考えるべきなのではないかと思う。
 この地震が来るべき東南海地震の引き金になる可能性はどうなのか、早急な検討を関係機関に期待したい。しかし仮に東南海地震が予測できたとしても、私達が個人的に出来る対策は限られており、せいぜい家の中で倒れるものへの予防策程度のことしか出来ない。震度5弱の揺れの中でそのことを改めて感じた。
安全神話をあざ笑うかのように福島原発で起きた事態は、原発の存続そのものにも疑問を投げかけている。今回は津波が直接施設にダメージを与えることは無かったようだが、もし巨大津波が押し寄せる事態が現実化すれば、一瞬のうちに大惨事が起きる可能性があることを示唆した出来事であった。堤防を乗り越えて荒れ狂う津波の力は、私達の想像を超えるとてつもない破壊力である。日本のような国で海岸沿いに原発を建設することは自殺行為に等しいと言わざるを得ない。
 それにしても、津波の力の巨大さはとんでもないものであった。映像で繰り返し見ていてもそのたびに目を瞠る。「悪魔の触手」といった真っ黒い波の動きは、始めてみる異様な光景だった。海沿いに住むことだけはしたくない。

大海嘯は箱舟で乗り切る・・・。