時事問題 その2

 この時事ネタ、もしくは政治ネタというのは書きやすいジャンルです。日々目まぐるしく変わる世界であることもその理由ですが、なんと言っても目線が低いというのが最大の理由でしょう。この世の中とくに政治の世界などはこの傾向が最も顕著で、突っ込みどころ満載、話のネタに溢れています。近頃はお笑い番組を見ないので知らないのですが、漫才や落語がもう少し静かだったころには、政治ネタはかなり主流とも言えるものだったのです。風刺やからかいは私達平民のささやかな武器でもありました。しかしこれが決して望ましいことではなく、からかいや風刺を受けずにすむ政治状況というのがあらまほしきことなのです。
 ところがこのあらまほしからざる状況は今に始まったことでなく、時代をさかのぼっても蔓延していたらしく、古くは「近頃都にはやるもの・・・」で始まる落書や、江戸時代にさかんとなった川柳、狂歌などもこれらのネタをさんざん料理して世に送り出しました。どうも不平不満の種は盗人同様尽きぬようです。へぼ将棋と同じで傍で見ていると手が読め口を出したくなるのに、自分が指してみると先が読めない、外野がうるさいと感じる、あれと同じ心理なのでしょうか。しかしへぼ将棋は文字通りへぼだから、手の内などは見え見えで王より飛車をかわいがる間抜けですが、政治家の皆さんはねえ、そうじゃない訳でしょうし、江戸やその前ならいざ知らず、現代のデモクラシーのご時世に選ばれた方々なのですから、そう何時までもからかいや嘲笑に甘んじておられては如何なものかと、要らぬ心配などする訳です。それともそういうガス抜きを意識的に私達にやらせて、それでコントロールする高等戦術を採用しているのでしょうか、あの方たちは。

私はからかいなどではなく 厳しく見ます。