二流志向

 B級グルメというのが花盛りで、あちこちで町おこし(これも変な言葉で、雷おこしと言う不味い食べ物を思い出させる)のアイテムとなっているようです。B級グルメの全国大会などもあり、テレビで中継したり何万人かの人が集まったりするようです。大会に行ったこともなく、AもBもグルメとは縁がないのであまり興味がなく、どっちでも良いのですが、何かおかしいとは思ったりするのです。
 もともとB級というのは一流と比べレベルの落ちるもの、マイナーリーグな訳で、次のステップへ登るための通過点ではなかったのではないでしょうか。映画の世界でもレーガン元大統領がB級映画のスターであったことがよく知られていて、A級になれなかった思いが政界に進出させたとも言われています。ですから、“B級が目標、到達点”というのは余りにも志が低いと言わざるを得ないのです。それに、このB級グルメと言われるご当地物は、大会にために創られた、現地人も知らない食べ物もあると言うのですから、なんてことはない二流もしくは三流の料理イベントでしかないようにも思えます。もちろん私は一流の料理など食べたことは無いので二流三流大好きですが、わざわざ出向いて・・までとは思いません。どうもその辺りが不可解なのです。
 そのうちB級家作りフェアーとか、B級人間大集合なんて企画も出るかもしれません。なんせB級メディアのテレビが仕掛け人のようですから充分に考えられます。そんな時、“わたしはB級の家に住んでいます、B級人間です”と胸を張れるのでしょうか。まあ家に関して言えばB級はおろかC、D級あたりに届くかどうかと言った代物がほとんどの安普請が中心の国ですが・・・。とすれば、このB級ブームは今のこの国の人達の身の丈に合ったものであるのかも知れません。

一流のまなざし