幕の引き方

 このところ時折頭をよぎる考えがあって、それは自分の終末を自分で管理出来たら、と言う思いなのです。“末期がんの唯一のメリットは残り時間が分かること”と言った人がいましたが、日本では“ぽっくり逝くのが何よりの望み”と言う年寄りが多く、ぽっくり地蔵なんてのが有って、かなりの人がお参りに行っているらしいのです。欧米などでは末期がんなどでは告知が常識で、告知されることで身の回りの整理など、残された時間を有効に使う人が多いと言います。ヒトは必ず死ぬわけですから、無理にでも長生きがしたい人は別にして、自分の後始末を出来る時間が欲しいと思うのは自然ではないでしょうか。ぽっくり死ぬのはそういった時間がない訳で、死に対する恐怖は感じないで済むと言うメリットは有るにしても、後始末も出来ずに散らかしっぱなしで逝くのも如何なものかと思います。まあ死んでしまえばこっちのものと言った考えも成り立ちますから、一概にどちらが良いとは言えないかも知れませんが、私としては引き際ぐらい綺麗にしたいと考える訳です。なんせあちこちひっ散らかしていますから、あちらに行っても気になって仕方ないと思うのです。
 しかし世の中自分の思い通りになることは殆どないのが常で、そんなうまい具合に幕を引ける訳がなく、このままでは、きっとあたふたと取るものも取りあえず、あちらに行く羽目になるが必定と思ってはいます。そこで、仮の終末というのを設定し、Xdayから逆算した整理日程を組めば上手くいくのではと考えました。生前に葬式をしたりお墓を買ったりする人がいますが、まあ、あれに近いと言えます。まだ具体的に予定を組んではいませんが、これは案外面白いと独りにやついています。私の場合は無宗教だから墓や葬式は要らないので、主に身辺整理に費やすスケジュールということになるでしょう。Xdayプラスマイナスどのくらいで的中するか、そんな楽しみ?方さえ出来そうです。
 今のところ私の予想残日数はうん千日ぐらいでしょうから、まだ準備は要らないと高をくくっていますが、予想とふんどしは向こうから外れるらしいので、準備おさおさ怠らないよう心がけるつもりです。“オリンピックまであと何日”と言った乗りで行こうかと思っています。しかしXday過ぎたらどうしようかねえ、まだ考えてないんですよね。ドンピタで幕が引ける上手い方法がないでしょうか。

そんなことより 日向ぼっこよ冬は。