生物多様性会議

 「COP10」が名古屋で開かれています。COPは「締約国会議」(Conference of the parties)の略だそうですが、生物多様性条約を締結した国々の国際会議ということで今回10回目、COP10となるようです。この生物多様性条約とは一体何だろうと思い、COPのHPを覗いてみました。するとこの条約の3つのポイントが書かれていました。
①  地球上の多様な生物を、その生息環境とともに保全すること
②  生物資源を持続可能であるように利用すること
③  遺伝資源の利用から生ずる利益を、公平かつ衡平に配分すること
とあります。これは、ラムサール条約などではカバーできない部分を含め、包括的に自然保護と利用を図るために作られた国際条約、と言うことのようです。この中では③がきっと眼目となっているような気もしますが、温暖化防止の条約にしてもこの条約にしても、国際条約は必ず先進国と開発途上国とのせめぎ合いの舞台となってしまい、肝心の目的がないがしろにされるケースが目立ちます。生物の多様性の保護、保全を目的とした会議で、民族や宗教、習慣の多様性をないがしろにした議論がされたり、またヒトの都合だけが優先される議論がまかり通る愚行もたびたび繰り返されます。“会議は踊る されど進まず”といったところに落ち着くような気もしますが、どうもこの手の会議は現実感に乏しいと言うか、ヒトの限界を見るような思いがしてなりません。
 考えてみると、ヒトはヒトの多様性についてはかなり心が狭く、排他的で攻撃的です。どう好意的にみても“生物全般にならば寛容になれる”とは思えないのですが、しかし、やらないよりはやったほうが良いかもしれません。「COP10」の成功を心よりお祈りします(嘘くさいですか?)。

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