自己責任

 昨日の朝日新聞朝刊に山岳遭難についての特集記事が掲載されていました。要旨は安易な遭難救助要請と「連れられ登山」を戒める内容でした。
 私も山に登ります。本格的に始めたのは20代始めからでした。地図の読み方、天気図の書き方や読み方、緊急時の対処法など、登山するうえで必要と思われる知識をまず習得することから始めたと覚えています。歩き方、パッキング法などはそれまで低山に登っていたので出来るようになっていたのですが、縦走や冬山登山を目指すにはそれなりの技術を習得することが前提とよく周りから言われていましたので、自然にそう言った手順を踏むことになったのです。
 あの当時は山岳部が全盛期で、訓練と称して新人にかなりキツイことがやられていました。私は先輩後輩の序列が好きではなかったので、そう言った組織には入らず個人的なグループで山に登り始めていました。知識や技術の習得はだからこそ予防措置だったのです。登山は道を歩くようにはいきません。体力や技術、知識を踏まえてこそ楽しめる分野です。山岳部や会に入りそこで技術や知識を習得するのも一つの方法です。いろいろなアプローチを経て山へ登れる訳です。私も一時期社会人山岳会に所属しましたが、山岳会のような組織でなければ習得できない技術もあるのです。
 「ツアー登山」と言う訳の分からない「旅行」が流行り、中高年を中心にかなりの人達が参加しているようで、ほとんど登山経験がなくても参加でき、アルプスクラスの高山にも行くと言います。去年、今年と続けて起きた北海道の遭難事故もこのようなツアー登山でした。携帯電話がかなりの奥地でもつながり、事故でも起きればすぐ連絡して助けてもらえる気楽さが根底にあるので、緊急時の対応策など二の次になってしまうずさんな登山が有るのです。実際山ではこういったグループによく出会います。団体旅行がそのまま山に来たかの賑やかさでげんなりします。
 朝日新聞のライターさんが言うように、遭難時の救出費用は全額自己負担を原則とすることに賛成です。登山は自己責任が原則の世界です。好きで行っているのですから失敗も自分で解決するのは当然でしょう。少々の怪我なら這ってでも下山するぐらいの気持ちがない人は登山には向きません。そうでない人達はロープウェイやケーブルカーを利用した登山をすれば良いのです。それが嫌なら家でテレビでも見ていたほうが身の為です。

私はいつも自己責任を守っています。