パクる


 みすずかる信濃の国に移り住み あしひきの山でも行くかと皮算用 ちはやふるカミさんは渋い顔 ゆく川の流れは絶えず流れても 足腰体力もとのままにあらず 徒然なるままにその日暮らし いずれの御時も貧乏は付きまとい 諸行無常は世の常と 飛び立ちかねつ つまずきぬ 山のあなたになお遠く 雪まじり雨降る朝は首すぼむ 栗食めば歯痛み 瓜食めば歯凍みる 見わたせど花も紅葉もすでになく 金も無ければ 死にたくも無し
 これは以前に私が作ったもので、先人の作をあちこちパクり長歌風に仕立てたものです。上海万博のテーマソングのパクリは、本当の作者に思わぬ棚ぼたをもたらし、何が起こるか分からないこの世の妙を感じさせます。
 特許制度により開発者が利得を主張することは当然の権利と考えられています。けれど特許制度が製造や開発、研究を遅れさせたり、時によっては妨害(妨害の意図をもっての特許申請もある)の原因となることはかなり以前から指摘されています。著作権も同様で、右を立てれば左が立たない状況が多く存在するのでしょう。この辺りでその手の制度は止めにして、一度「なんでも有り」の状況にしてみる勇気も必要かと思います。
 しかし、あの国のパクリ文化はすごい。資本主義の論理など知ったことではないと言うか、ある意味先進的と言うか・・・。