猫の魔力

 以前「作家の猫」という本が出版されてかなり売れたそうです。私も図書館で見て買いました。柳下の2匹目ドジョウを狙い、「作家の犬」と言うのを企画したか出版したかしたようですが外れたそうです。なんとなく分かる気がします。
 作家と猫で有名なのは、日本では漱石さん、海の向こうではヘミングウェイさんでしょう。しかし二人の猫に対する接し方は全く違っていたようで、前者は淡白、もしくは冷淡。後者は猫好き、もしくは溺愛だったようです。でも本にして猫を有名にしたのは漱石さんで、ヘミングウェイさんが有名にしたのはカジキマグロでした。
 エジプトでは猫が神様として崇められ、ヨーロッパでは魔女の使いのような扱いを受け迫害されたと聞いています。日本では鍋島さんのうちに化けて出ました。
 我が家では今のところ、崇めたり、迫害したり、化けたりはしていません。けれど、私の声が裏返ったり、家族が訳の分からないことを喋ったり、挙句の果てには歌なんか歌ったりするのは、やはり魔力のせいと思わざるをえません。