思い込み

何でもそうですが、一度刷り込まれた知識はなかなか抜けなくて、その事が仮に不正確であっても否定して訂正するのには時間がかかるものです。鳥類などに見られる「刷り込み」は、最初に目にした動くものを親と認識し、その後につき従うほどの強力な影響をもたらします。
「刷り込み」と似たようなもので「思い込み」というのがあります。先入観を持って見たりバイアスをかけて判断すると陥りやすいようです。子供の時に記憶したことをそのまま大人まで引きずり、他人にその間違いを指摘されるまで気が付かなかった、そんなこともあります。東京では「ひ」と「し」をよく入れ違えてしまうと言われています。「布団を敷く」を「布団を引く」と言ってみたり、「火鉢」を「シバチ」と言っていました。まあ今は布団を敷くことも火鉢も使わなくなったのでそんな言葉は使いませんが、いい大人になるまでそのように言っていたのですから思い込みもしぶといものがあります。
それにしても、私のような無名のぼんくらが何を思い込もうと世間に影響を与えることなどありませんが、一国の宰相ともなるとそうはいかず、あちこちに様々な波紋、動揺、場合によっては警戒心などを与えることになります。本人は良かれと思ってやることも時と場合で思惑通りにはいかないことも多々あり、まして“思い込み”が外れていたとなると噺はややこしくなるでしょう。我らが宰相は東奔西走、実に忙しく飛び回っておりますが、一度ゆっくりとお休みになられ思うところを検証されたが良いと思うのです。なにやら、質問されると答えをはぐらかす、あるいは外すことが多いという評判ですが、ひょっとすると幼少時より議論をあまりせず、したがって反論を受けることも少なく、自分の思いに揺るぎない確信と自信を、堅持したまま現在に至っている、そんな印象を抱くのです私などは。まあ第一次の時は体調を崩されて、精神的に弱い部分もある処をのぞかせていらしたようですが、このところの充実ぶりを見るとまさに自信過剰というか、躁状態というか、何とも目を見張るものがあり驚いてしまうのです。

うううう、頭がが・・・。