記号

小学館から出ている本で「句読点、記号・符号活用辞典」というものがあります。私たちが普段目にするものから、かなり珍しい、使い方も知らないものまで、おそらく記号の類は殆ど記載されていると思えるような本です。「。」に始まって「etc.」まで13章、300頁近くに及ぶ辞典で、200もの記号・符号が解説されています。
この本に記載されている記号のほか、「ピクトグラム」という信号や非常口案内用の記号などを含めるとさらに多くの記号があり、メールで使われる絵文字、仲間内でだけ通用する暗号のようなものなどを入れれば、きっと記号・符号の類は1000を超えるかも知れません。日常的つかわれる文字だけでは足らずに、と言うよりは文字が生まれる前からヒトは記号を使ってきた歴史があるのですから、むしろ記号や符号を使う方が先でそれが今まで続いていると言ったほうが正しいのでしょう。
「数式」というのがあります。「1+1=2」などというやつですが、この式の数字以外が数学・化学記号で、ある事柄を「文字」ではなくこの数式を使って説明することが出来ます。もちろん数学はこの数式を使うことですべてを説明、解説するのですが、物理学や化学も数式と切っても切れない間柄と言われます。私は知らないのですがケインズ経済学なども数字の学問と言われ、数式を多用して経済の仕組みを解き明かしているそうです。数字と記号だけで世界を説明できると言いますから、数式はなまじ下手な言説を弄するよりはてっとり早く曲解を招かないのでしょう。日本では理論物理学が盛んで、湯川秀樹博士を始めこの国のノーベル賞受賞者の多くがこの分野ですが、この世界は数式による解説が殆どです。大した実験道具もいらずに鉛筆と紙さえあれば出来る数式の世界は、予算の少ないこの国の事情にぴったりだったと言った話もありました。しかし今では考え出された理論を実証する段階となり、大がかりな実験装置を必要とする分野となってしまったようです。今なお紙と鉛筆の世界は数理論だけかもと思っていたら、数理論も今ではスーパーコンピューターを駆使する世界なようで、紙と鉛筆で足りるのはパズルだけかもしれません。
記号を駆使して説明、解説するなんて、かっこいいよなあ。

これも記号か?