北京の空

凄いですね北京の空は。でもそんなことお構いなしに春節の爆竹が景気よく上げられて、大気汚染濃度は測定不能だそうです。しかし私たちの国もつい3、40年ほど前には「光化学スモッグ」注意報が連日のように出ていたのですから、あまり他人のことをとやかくは言えないです。
考えてみれば、中国の工場のその多くは、いわゆる先進国からの進出企業が直接、間接に絡んでいるはずで、それらの企業はすでに自国内では大気汚染や環境問題についてそれなりの防止技術を確立している訳で、なのに何で北京の空があれほどまでに凄いことになってしまうのか、ちょっと疑問が湧いてきてしまいました。中国では暖房に使う主流が石炭だからとくに冬季は大気が汚染されやすい、あるいは成長優先の産業構造に主な原因とか言われているようですが、暖房はともかく、経済成長はここ10数年の間に起きた大きな変化ですから、そのことが現在の状況に大きく関係していることは間違いないでしょう。
とすれば、中国に進出した外国企業の多くは、今や日の出の勢い、世界の工場と言われる現在の中国に深くかかわっているのですから、北京の空を覆う汚染物質の原因にも責任が有るはずです。日本のマスコミも含め、世界の先進国のマスコミは中国の大気汚染や環境汚染の原因を、中国の国内事情および経済政策にのみあるかのような報道がされています。そりゃまあ、そうでしょうが、安い労働力を求め、緩い規制を求め、利潤追求に奔走してきた先進国企業の側にだってそれ相当の責めを負うというか、反省の言葉あってしかるべきではないかとも思うのです。だって、自分たちは経験的に予測できた事態が今起こっているのですからねえ、マスコミもいい加減ですよね。
しかし中国当局の責任者たちは、今の事態が分かっていてなおかつ成長戦略(誰か同じようなことを言っていますが)をとったんでしょうか、あるいは予測つかなかったのでしょうか。どちらにしても、あまりに露骨な自己否定ですよね。なんせ共産主義の一番忌み嫌う「凶暴な資本主義」と同じ状況にあるようですから・・・。
 
 うちの空は・・・