見栄っ張り

 東京人は見栄っ張りと言われますが、東京の片隅に生まれた私もご多分にもれず見栄っ張りです。見栄、張ったりで生きて来たとも言えます。なりふり構わずに事を行うのはかっこ悪い、といった環境で育った訳でもないのですがいつしか見栄っ張りになっていました。中学生の頃にはすでにガツガツ勉強するのはかっこ悪い、勉強など興味ない(事実興味なかったのですが)といった態度をとり、成績などは時の運と嘯いていました。歳を重ねてもこの傾向は治らず、現在に至っています。
 3人乗り用の自転車が売り出されています。主に小さい子供を乗せて保育園や幼稚園に送り迎えするのに使われるようです。自転車の構造上非常に無理のある使われ方だと思うのですが、一定の基準を満たした自転車であれば道交法上も認められるようになったようです。しかし安全上の問題以前にあれはかっこ悪いのです。どう考えてもエレガントとは言えません。自転車はもともと優雅な乗り物ですから、仮に人を運ぶとしてもそれなりの形を考慮して作って欲しいものです。例えばリヤカー方式にして綺麗なワゴンを引くとか、3輪車で荷台を工夫して三人まで乗れるようにするとか出来たと思うのですが、前後に子供を乗せて足を開いてペダルをこぐというのは、いかにもなりふり構わぬを絵に描いたようで見るに堪えません。きっとワゴンや3輪車にすると道路とか置き場所の問題でハードルが高いのでしょうが、少子化対策子供手当を配るお金があるなら、それを使って道路に自転車レーンを作り、安心して優雅に子供を運べる環境整備をすれば良いのです。危険なうえにみっともない乗り物で子供を運ぶことが、いかに少子化対策と矛盾しているか少しは考えて頂きたいものです。でもこの3人乗り用自転車が結構売れているというのですから気が知れないというか、自分の服装や化粧には気を使っている“ヤンママ”も股開きの見てくれは気にしないのでしょうか。
 東京人のはしくれとしては、もう少し見栄を張っていただきたいと関係者各位に申し上げたい今日この頃なのです。

見栄も外聞もなく ただ眠いの。